朝は冷たい霧雨が降っていたが、昼頃から青空も顔をのぞかせていた。
祈りが通じたのか、冷たい風も収まってクリスマスパーティが始まった。
3日前から準備に追われ過労気味であったが、集まり始めたみんなの顔を見ていると
元気が出てくるから不思議である。
今年最後のイベントである。 クリスマスパーティには子供たちが沢山参加する。
大人はもちろんであるが、彼らに素敵な思い出をプレゼントするためにも工夫を凝らす。
4時からは、スタッフのFさん指導のもと、自然素材を使った「正月飾り」作りである。
素材はすべてここにあるものばかりである。
モグラガーデンでのプログラムであったから、暖を取るために焚き火をする。
みんな真剣に楽しそうに作っている。
自由に発想することは、簡単そうで実は難しいものである。
自分の中のイマジネイションと葛藤しなければならないからである。
5時からは、カフェにて自己紹介タイム。
「もしも私がサンタなら」という設問を前提に、それぞれが自分の思いを述べてゆく。
みんな、温かくやさしい思いを述べてゆくのがうれしかった。
5時半からは、待ちに待った手作り料理の数々に舌鼓。
料理担当のFさんが作った有り余る料理に、みんな大満足であった。
6時からは、Aさんによる絵本の読み聞かせタイム。
表現力豊かな話しぶりに、子どもたちは釘づけであった。
6時半からは、演芸とライブタイム。
Tさん夫妻による、「かさじぞう」のスクリーン紙芝居。
緊張しながらも、夫唱婦随で一生懸命にやり遂げてくれたのが微笑ましかった。
続いて、アマチュアマジシャンのIさんによるマジックショウ。
軽快なBGMに乗せて器用に動く指先に、子供たちの目は真剣であった。
1メートル近く前で見ていても、タネが分からないのが本当に不思議である。
そしてライブタイムが始まった。
先ずは、全員でクリスマスソングの合唱。
聖夜のハミングに乗せて、誕生日を迎えたYさんとAさんを祝福する。
一番手は、小学生コンビWちゃんとKちゃんの連弾「ネコふんじゃった」である。
立ったままでの演奏は微笑ましい限りであった。
二番手は、小中学生男子三人組による、リコーダーの合奏である。
普段はいたずらっ子の彼らが、真面目な顔をして演奏していたのには
びっくりするやら感心するやら。
三番手は、5歳のH君が披露した手品に、みんな温かい感嘆の声で喜んであげた。
続いてライブである。
毎回参加して演奏してくれるSさんのピアノと僕のベースデュオ。
「ホワイトクリスマス」と「枯葉」をジャズで演奏。
続いて、SUさんのヴォーカル。照明も落とし雰囲気は大人の世界に移ってゆく。
夜の大人のムードに、子どもたちがかなり緊張気味であった。
そしてトリは、Fさん、Mさん、女子高生三人組によるリコーダーの合奏。
ハイレベルの五人が奏でる美しい調べに、全員静かに聴き入っている。
途中、女子高生三人組だけの演奏や、母がピアノ・娘がリコーダーという親子の演奏
などがあり、最後に世界の国々のハッピーバースデイが演奏された。
Fさんによる、8種類もあるリコーダーという楽器の説明などもあり、興味が沸いた。
女子高生三人組は、全国大会にも出場するくらいの腕前であるらしい。
上手い筈であるが、それよりも、楽しそうにお互いを気遣ってコラボしている様子が
印象的であった。
予定時刻は過ぎてしまっていたが、みんなが楽しみにしているプレゼントの時間が来た。
今年のサンタさんはMさんである。
当日突然サンタ役をお願いしたので緊張気味であったが、無事大役をこなしてくれた。
プレゼントは、サンタさんとジャンケンをして、勝った人から選べる仕組みである。
それは、みんな真剣にジャンケンをしている。 大人たちの方が必死だったかもしれない。
8時を過ぎてしまったが、最後にサンタさんと一緒に全員で記念撮影である。
みんな来た頃とは違って、いい笑顔をして写っている。
この純真さを取り戻した素直な笑顔を、来年のクリスマスまで持ち続けて欲しいと
祈るばかりである。
差し入れをくださった方たち、準備に協力してくれたYさんとFさん、演奏や演芸で楽しませて
くれた方たち、ビデオを撮って下さったKさん、サンタさんを始め、温かいこころのプレゼントを
してくれた参加者全員の方たちに、そして自然の恵みに、感謝を込めて「ありがとう!」